煩悩ウォーク [BOOKS]


冒頭いきなりはじまる服飾学生時代に大阪から神戸に帰る快速電車内で白い粉を見つけた話。ダイヤルQ2で体験した信じられない恐怖のオカルト話。ベンジーに会いに行った妹の話。ゾンビ映画の話。爆笑した屋根の上のエピソード。特に神戸の震災の時にホテルで3Pしていた話が凄い。エロとユーモアをまじえつつ、当時の深刻な状況を伝えている文章は何とも言えない凄い気持ちになった。

日々、気が滅入りそうになる時代になってしまいましたが、笑いには本当に救われる。
女性よりかは男性じゃないと理解できない・面白くない系の話が多いかもしれないですけど、とても面白く読みました。

僕の大好きだったTV番組、BAZOOKAはこの方が作っていたんですね。

そしてあの15年前に一世を風靡した「全日本コール選手権」は、TV業界に入り表現欲求が溜まりにたまっていた作者が、初めて自分でイチからディレクションする機会を得た作品。このエピソードにて、ご自身が発信する企画以外は手がけることのないみうらじゅん氏にどうしても作品の肝になる解説役で出演してもらいたく、ダメモトでオファーする時に返された言葉が印象的。

"この企画は十分面白い。だから俺は出ない方がいい。本当は自分たちでこれを面白く表現しないといけないんだよ。でも初めてだから誰かのハンコが欲しいんだよな。よくわかるよ。俺もそうだった。初めて俺の漫画が『ヤングマガジン』で連載できるってなった時にさ、糸井重里さんに相談役として名前を出してもらってなんとか成立したんだよ。その時、糸井さんにさ、『みうら、一回だけ協力してあげるけど、以降は自分の力でやんなよ。』って言われたんだよ。だから君たちにも同じことを言いたい。一回だけ出ます。"