遊廓 /消えゆく娼街、娼家140景 [BOOKS]


僕の主観ですけど、めちゃくちゃカッコイイ写真集を手に入れました。
遊廓の写真集という、珍しい本です。
こういう建物をイケてるリノベーションしてお店やったら最高にカッコいいと思います。

今の若い人は知らないかもしれませんが、我々日本も売春防止法という法律が出来る以前、かつては売春が公然と合法化されていて(ほんの半世紀前まで)、全国各地に「遊郭」と呼ばれる売春街が存在していました。
そして、僕たちが住む三重県は何と全国で3番目に遊郭の数の多い日本屈指の売春街であったという歴史があります。その数、何と25箇所。お隣愛知で4箇所、東京ですら10箇所しかなかったのですから、いかにその数が多かったかわかると思います。
(ちなみに1位は北海道。今でも有名な歓楽街ススキノは当時の名残です。2位は山口県。長州藩の経済活動を支えた地域で多くの遊郭が発達しました)


では、何故三重県にはここまで遊廓が多いのか?答えは伊勢神宮です。
江戸時代には国民の5人に1人が伊勢に行ったとも云われ、「一生に一度は伊勢参り」と歌われる程、全国各地から伊勢を目指し旅をしたそうです。

東海道から分岐する伊勢街道には多くの宿場町が栄え、同時に遊廓が形成されたというわけです。










甘美なノスタルジーでは決して終わらない、日本が誇る影の近代遺産。
特にその独特の建築様式、窓飾り、モザイクタイルの使い方など細かいデザインが特徴。


僕もこういうのが好きなので、津市の遊郭名残巡りツアーというのを昔実際にやってみた事がありますが、めっちゃ面白かったです。
津市の場合は藤枝町や丸の内や乙部、一身田辺りが有名な遊郭でしたね。

特に一身田の黒門のあった当日「一身田遊廓」と呼ばれていた場所にはまだ面影や当時の建築が少し残っているので、気になる方は歩いてみると楽しいと思います。(是非地元のお年寄りの方なんかに話しかけて聞いてみてください)

また、乙部にある生月という割烹は、当時は遊郭街で芸者さんなども沢山いらっしゃった130年続く料亭ですが現在も営業されております。
残念ながら建物・お庭など至るところが悲しいことになってしまっていますが、ほんの少しは面影を感じることができます。

























































「元遊郭だった建築をリノベーション」
凄いパワーワード。
デザインは勿論、こういった背景にあるストーリーだけでも唯一無二のお店が作れそうです。

僕が次の3店舗目をプロデュースするなら、いつかこんな感じで作れたらいいな。