Marie Tomanova [ART]
何にでも言えることでもあるけど、特にアートは見た時にグッとくる感情には必ず理由がある。その一つは時代背景である。
今日知った、この米国在住・チェコ出身の若き写真家のデビュー作品には心底グッときた。
直感でこれはヤバイ写真家が出てきたぞと思い、急いで写真集を購入しようと英語でGoogle検索をかけて世界中から探してみたものの、何と本国アメリカでは発売1時間で完売。重版するもそれも全て即完売。現在では10倍以上のプレミアム価格が付きアメリカのAmazonで2冊販売されているのみとなっていた。
写真集は、余程有名なアーティストでない限り一度完売すれば重版する事が殆どない。だからアンテナを常に張り、出会った瞬間に手に入れないと二度と手に入らない事が多い。今回は手に入らなくて非常に残念であった。
写真集のタイトル「ヤング・アメリカン」にも、グッときた。
現在、米国社会は混乱を極めている。その中で、移民であるチェコの若き彼女がこれ程の多様性を持ったクリエイティブな若者をアメリカで撮って世に出したということに意味がある。
現在、「ダイバーシティ」(個の時代)が非常に重要なキーワードの時代になり、この流れは世界的にこれからももっと大きくなると思う。
例えば2019年女子ワールドカップ米国代表チームのリーダーである、ミーガン・ラピノーという選手。
彼女はレズビアンを公言していて、恋人もいてファッションも凄くお洒落です。
2016年、ラピノーは白人の女性アスリートとして初めて試合前の国歌斉唱を拒否し、米国の差別社会への抗議を表明しました。
また、Twitterで度々トランプと言い合いになっていて、トランプから「つぶやく前に優勝しろ」と言われたら、2019年に本当に優勝してして結果を出した。
そして「ホワイトハウスに招かれても行きません」とTwitterで宣言してしまう。実にカッコいい。
一つの例えですが、こういった活躍を見ていると個の時代になったんだなと感じます。
さて、若き写真家Marie Tomanovaが多様性を持ったアメリカの若者たちを通して見出した「米国の今」。「そして米国の未来」はどうなっていくのだろうか。
皆様も想像しながら作品を見てみてはいかがだろうか。
https://marietomanova.com/