表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 (BOOKS)


僕はTVを全く見ないのでお笑い芸人としての彼の事は殆ど存じ上げていないのだけれど、こんなにも純粋で素晴らしいエッセイを書く方だとは知りませんでした。

キューバへの旅行記なのですが、格差社会・新自由主義・父の存在と在りし日々。それが豊かな感性と表現と共にキューバへの旅行記と見事に調和を果たしています。旅をする本当の目的とは胸に刺さるものであった。

最近発売されたばかりのこの文庫版では、大幅な加筆(モンゴル編・アイスランド編・コロナ後の東京編)が加えられており、どれもが素晴らしかった。

僕はちょっと共感とは違った感情で読んでいましたけど、それでも彼の自意識の過剰さや傷つきやすさ、繊細な感傷には、特にこのコロナ禍においての現代の日本に暮らす人々で共感を覚える人は多いのではないと思われます。

キューバもモンゴルもアイスランドもとても行きたい国だったので、さらに面白かった。内容的にもとても読みやすいのでお勧めです。