A Rainy Day in New York(MOVIE)


ニューヨークの名門「カーライル・ホテル」にある「ベメルマンズ・バー」での演奏を志すJAZZミュージシャンをティモシー・シャラメが、セレーナ・ゴメスとエル・ファニングによる一夜の三角関係を描いたウディ・アレン83歳の時の監督作品。



この映画は「雨の降るロマンチックなニューヨークを撮りたい」アレンがインタビューで語っていたように、「雨が降り続けるニューヨークの中でロマンチックな事が起きる」以外、本当に何にも無い。

物語はあるにはあるが、あくまで添え物でしかなく、焦点は「ニューヨークと雨と恋愛模様」と言うワンシチュエーションの極めてフェティッシュな領域で作品が作られている。



今作の脚本はウディ本人が「かなり昔に書いたもの」と言っているが、彼は70年代に書いた脚本を2000年代に平気で使う人なので(笑)今作もかなり古い時代の脚本に思えます。

そしてウディ作品の中で満を持して初めて「スマホ」が登場するのも、この作品です。

今の時代、カフェでも電車でも皆うつむいてスマホを見ているのがリアリティある光景ですが、映画監督としてはカフェのシーンでもそんな陰湿な絵は撮りたくないわけです。


そしてこの映画は、見る人によって意見が真っ二つに分かれると思います。退屈だという意見もわかるけれど僕は晩年のウディ・アレン最高傑作だと思うし、素晴らしいニューヨークの街並みにこれ程までに雨と役者が美しく描かれている作品は他にはないと感じます。




今作でウディは今をときめく若手俳優シャラメにJAZZスタンダード曲「Everything Happens To Me(訳:僕は運が悪い)」をピアノ伴奏込みで歌わせています。必見のシーン。






意外と雨が降らない(降っても大雨という極端な状況)今年の梅雨。

ワインでも飲みながら、こんな素敵な映画を垂れ流ししながら過ごしてみてはいかがでしょうか。素敵な休日になると思います。