2022年春夏メンズ・トレンド(FASHION)

各国のコレクションも出揃ったので、WWDさんなどを参考にして来年2022年春夏のメンズトレンドを5つのトピックスに分けて検討していきます。 


①街着リゾート・スタイル

ファッションのトレンドは必ず時代の気分から生まれる。

先シーズンまでトレンドであったステイホーム(もう既に死語になりつつあるが)を反映したラグジュアリー家着風スタイルは完全に消え去り、コロナ収束への光が見えたことによる「今の社会状況から開放されたい」「旅行に行きたい」「リゾート地に行きたい」といった人々の思いが強く反映された「街着も対応可能なリゾートスタイルやエスニック風スタイル」が来年の春夏の最も大きなトレンドになりそうである。

ヨーロッパ諸国のように既に収束に舵をきる国もあるが、来年もコロナの影響は日本においては残る可能性があり、人々のリゾートへの欲望を満たすリアルクローズとしての街着は高い支持を得ると予想されます。




HERMES 2022 S/S



COMME DES GARCONS JUNYA WATANABE MAN 2022S/S



ETORO 2022 S/S


Rick Owens 2022 S/S




Dris van noten 2022 SS






PRADA 2022 S/S






②ショートパンツ

もう一つの避けては通れないビッグ・トレンドがこれ。

ここ数年メンズのショーツ人気の再熱は著しいが、世界的な地球温暖化による猛暑の影響がこのトレンドに拍車をかけている空気感も感じる。

2022年春夏は、出していないメゾンはなかったのではないだろうか?とい言うくらいに殆ど全てのメゾンで象徴的なショートパンツのLOOKを出してきており、過去最大級のショーツトレンドを感じた。

コート×ショーツ、ブルゾン×ショーツ、ニット×ショーツなど縦横無尽に何でもあり。

ショートパンツ履かない派の男性がいるのは事実だが、温暖化の影響や「抜け感」を演出するアイテムとしてもショートパンツは優秀なアイテム。特にエルメスが多用していたワイドめのバミューダショーツはショートパンツ入門編として大人の男性が参考にすべき来年のマストLOOKだと感じます。



HERMES 2022 S/S




FENDI 2022 S/S




DIOR men 2022 S/S



Comme des Garcons homme plus 2022 S/S




PRADA men  2022 S/S




BERLUTI 2022 S/S






③肌見せスタイル

具体的にはスリーブレス(ノースリーブ)だったり、透け感のあるメッシュやPVCやシアー素材のこと。

ただ「肌見せ」に関して日本人の男性の場合はリアルクローズの場合はまだまだ高感度層に限ってのことかもしれないが、世界的なトレンドで見ると2020年頃から継続しているビッグトレンドであり、2022年春夏はさらなるトレンドの加速を感じる。
リック・オウエンスやヴェトモンなど普段からシグネチャーとしてスリーブレスを提案しているメゾンは変わらないがないが、今期は驚くべきことにバーバリーなど「殆ど全てのLOOKがスリーブレス」のメゾンも登場した。

肌を見せるスタイリングは人間のヘルシーさをアピールできることにも繋がるので、世の中のエコロジーやSDGsの雰囲気とも共鳴すると思います。

日本人の男性の場合は、まずはレイヤードアイテムとして単調になりがちな春夏のスタイリングに取り入れてみてはいかがだろうか。




FENDI  2022 S/S

PVC素材のコート(上)胴で短く切り落とし肌を見せたテーラリングジャケット(下)




BURBERRY 2022 S/S
スリーブレスのトレンチコート


PAUL SMITH 2022 S/S

半透明ナイロン素材のブルゾン



FACETASM 2022 S/S
ビッグシルエットのスリーブレス




SULVAN 2022 S/S

透ける程薄手のニット(上)チュール素材のコート(下)





④バケットハット

これに関しても以前からの継続トレンドではありますが、今回かなりの数のメゾンで散見されました。

もともとHIP HOPカルチャー発祥の帽子なのでストリート色が強かったけれど、22年春夏ではPRADAやDIORをはじめラグジュアリーメゾンがかなり積極的に進化したデザインのLOOKを打ち出しており、帽子のメインストリームになりつつあると感じます。




PRADA 2022 S/S


プラダはほぼ全てのLOOKで使用。ツバ自体がPRADAのシグネチャーの三角ロゴをイメージさせる後ろに伸びる象徴的なデザインで、バックセンターに小物入れ、サングラス用のスリット、そして乗馬キャップのようなアゴ紐があるのが最大の特徴でカラバリも豊富。
トレンドのリゾートに完全対応した実用性、かつデザイン性も高く、ラフシモンズらしい隙の無い完璧なクリエーションを小物でも見事に見せた。






FENDI 2022 S/S

フェンディは極端なつば広デザインにすることにより非常にエレガントなデザインに仕上げてきた。



DIOR 2022 S/S

ディオールはアクセサリー的にゴールドのチェーンが連結するデザインでラグジュアリー感を打ち出してる。



Paul Smith 2022S/S

ポールスミスはキャップが融合したようなユニークなデザイン。



ISABEL MARANT 2022 S/S

これはモデルもブラックスキンだし、デザインとスタイリングも含めて比較的ベーシックな打ち出し方。

他メゾン、多数。




⑤PINKカラー

来年の春夏、色の場合は力強いピンクカラーに注目したい。

21年春夏はペールトーンカラーやダスティンカラーがトレンドでしたが、来年春夏はハッキリとした力強い色に進化していると感じます。これも完全に時代にシンクロしていて、2021年は世界的な暗い空気感を反映した薄い色合いやくすんだ色合いが売れる時代でしたが、22年のピンクは未来への明るい糸口が見え始めたことによる社会的背景が明確に色に現れています。一般的な日本人の男性は取り入れるのが苦手な色ではありますが、抑圧からの反動として取り入れてみてはいかがだろうか。苦手な方は小物からでもOKです。



LOUIS VUITTON 2022S/S




ロエベ 2022年 S/S








Comme des Garcons homme plus 2022 S/S



PRADA 2022 S/S



DIOR 2022 S/S