酒と絵画 #2(ART)
Jean Beraud / Brasserie d'Etudiants (Student Brasserie) 1889年
お酒とは人々を魅力ある世界に引き込む魔法のようなものだ。
ベローはパリの国立高等美術学校で学び、モンマルトルにスタジオを構えて、油彩、水彩、パステルなど多彩な技法でベル・エポック時代のパリの日常生活描いた。
モネやゴッホ、ルノワールなどの同時代の画家と比べると知名度は低いが、市街の風景、夜会、馬車、カフェやキャバレーで酒を飲む男女・・・
とりわけ美しい女性たちのファッションやコケティッシュな姿を鮮やかな色彩と艶のある黒で描写した作品は魅力的だ。
この作品はやや地味だが、学生たちが集まるブラッスリーの店内を描いたもの。
ブラッスリーはビール醸造所を意味し、アルザス地方の料理とビールを提供する、カフェを兼ねたレストランをこう呼んでいる。
フランスでは食事のときに飲むのはワインで、レストランではビールを出さない。
鉄道の普及とともにパリに増えたブラッスリーは、気軽にビールが飲める場所として若者を中心に人気になった。座っている男性のうち3人がベレー帽をかぶっていることから、この店は美術学校の近くにあったと推定されている。
ピレネーの山岳帽だったベレーは画家に好まれたが、とくに外で写生する印象派には必需品であった。
以下はジャン・ベローの作品
フレンチカンカン(ドレスアップした女性の踊り子がハイキックしてスカートを捲り上げたり、お尻をふったりする当時の高級でエッチな踊り)を描いた作品
夜の演芸場前の男と女を描いた作品