DRIVE MY CAR(MOVIE)


先日明和109にて再上映を鑑賞。

あまりにも作品の魔力に引き込まれてしまい3時間が一瞬で過ぎてしまった。

この作品の脚本がいかに生々しく物凄いかということは散々ネットでも語りつくされているので今更文章にするのもアレなので私は違う視点から書きますが、個人的には映像作品としてのクオリティの高さも目を見張るものがありました。

この映画の象徴的なアイテムが「クラシック音楽」と「鏡」。西島秀俊が妻の浮気相手との情事を知るシーンであったり、失うシーンであったり、運転中にドライバーと心を通わせるシーンであったり、常に印象的なショットには鏡、そしてクラシック音楽が登場します。

後半の2人がsaab900に並んで乗りながら喫煙するシーンなんか、なんて美しい映像なのかと思い涙がこぼれました。

詩的な映像表現の数々に日本発の「美しいアジア映画」の堂々たる復活を感じずにはいられませんでした。



もうひとつ。本作品のタイトル「Drive My Car」は古い音楽業界では「性交」の意を持つ隠語なのは秘密の裏話。

ビートルズマニアの村上春樹さんは勿論その意味も含めてタイトルに付けているのでしょう。


以下にビートルズのDrive My Carの和訳を掲載して今回は〆たいと思います。

全て隠語で表現する男と女の情事についての歌詞なのは言うまでもありません。



あの娘に聞いたんだ「君は何になりたいの?」

彼女はこう答えた「わかるでしょ?

私は有名になって、映画スターになるの

でも、あなたにもできることがあるわ」


「あなた、私の車を運転しなさいよ

そうよ、私はスターになるわ

あなたは車を運転するの

そしたら、あなたの事好きになるかも」



 僕はこう答えた「僕だって将来有望なんだよ」

そしたら彼女は言ったのさ

「そんなのわかってるわ地道に働くのも結構ね。

でも、もっといい人生を教えてあげる」



「あなた、私の車を運転しなさいよそうよ、

私はスターになるわ

あなたは車を運転するの

そしたら、あなたの事好きになるかも」


僕はあの娘に言ったのさ

「今すぐに始めよう」

すると彼女はこう答えた

「でも聞いて。言わなきゃいけない事があるの

残念ながら、車が無いのよね

でもドライバーが見つかったわ、さぁ出発よ」


ブブー、ブブーってね