放談

驚くべきことに3月がもう終わってしまった。

忙しさにかまけてブログもすっかり放置気味になってしまっている。

本業の美容師の仕事は相変わらず特に何も集客をしていないがありがたいことに本当に忙しく、3月は精密なパズルの様に全ての日程の全ての予約枠が埋まった。

ワインも物販も沢山の人に買っていただいた。

結果このこの3月は点と線を13年間経営してきた中で過去最高の売上だった。13年間も美容室やってきて1人馬力なのは変わらないのにまだ伸びるのかと我ながら思うけれど、自分の数字を追うのは充分過ぎるのでとっくにやめていて、美容師に関しては後は繰り返される毎回の仕事の完成度をさらに高めることにしか興味がない。

未だに「もっと今日のお客様の仕事は良くできたはずだ」と自分の仕事に悩み眠れない夜もあったりする。この3月は何度もあった。もっともっと仕事が上手くなりたい。

それと、BAR FILMの準備(WEBなどコンテンツの制作含む)、セレクトショップFILM STOREの準備(初回買い付けは大筋終了して、今はコンテンツ制作着手中)、これらが並行して走っている。

30代前半まではワーカホリックで23時まで店を開けて仕事をしていたし、作品制作も今よりもっと精力的に行っていたし、様々な美容以外の勉強もしていたし、本も同時に10冊くらい読んでいたしいつ眠っているのか不明な日々だったけれど、これくらいのタスクが無いと調子悪いくらいだった。

それがここ最近は「落ち着いた」のか、すっかりスローダウンが身についてしまい、波の乗り方が変わった。ゆったり乗るのである。睡眠もしっかりとるようになった。

私はどんなに忙しくても本を読む時間は確保するけれど、同時数冊に読むのも速読するのもすっかり止めて、今は脳内速度を半分に減速して読むのが気持ちよくてハマっている。

気が付いている人もいると思うが、お店の営業終了時間も徐々に短くしている。

最近は基本的に夜しか食べない1日1.5食に慣れたので昼の食事休憩を止めて通しで予約を受ける代わりに、最終の受付時間を早くしてみたりしている。(それでも他店の美容室に比べたら充分遅くまでやっているが)

これから夜の時間はBAR FILMの現場に入ることもあると思うし、今くらいは夜ご飯にしっかりと時間を確保して考え事をしながらゆっくりワインと食事を楽しみたいからでもある。


そういえば久しぶりにアルバイトを雇うことになり、今日から来てもらっている。非常に芸術肌で私より20歳も年下の可愛らしい女の子だ。

クリエイティブな業界で若者をやる気にさせるコツは何でも自分で考える癖を付けさせることと並んで、まず初日でやる気や能力を正しく査定すること。そして、その実力より0.5ミリだけちょっとしたハードルを課すことだ。クリアすると快楽が生じる。遊びと一緒だ。これを何度か繰り返し、ある程度のフェーズに入ったらハードルを5倍にする。「ええ」っと一瞬たじろぐが、実は眠らせているだけで能力内だったりする。それを乗り越えることが出来るようになると、乗り越えているのに「くそ、まだまだだな」と、思う。この繰り返しで人は成長する。ちなみに現在青い角で活躍中の山城はそうやって育てた。


世界を見ると停戦交渉を祈るばかりではあるが、プーチンは変わらず老いた軍人のまま狂い続けているし、ゼレンスキーは若い俳優のままで頼りないし、戦争は非常にゆっくりと大量の血を流し続けながらスローダウンしつつある。

しなしながらこの戦争は様々な考え、様々な言葉を発してる人々があまりに多く、全くまとまりが見えない。現地ウクライナ人の発信するリアルなSNSや現地を取材しているヨーロッパのジャーナリストの方々の発信している記事と日本での報道もあまりにも剥離し過ぎている。私は完全に某国のプロパカンダ戦争だと見ているが、この件に関しては公の場で一切の発言をやめておこうと思う。

でも、この戦争で一つだけ全員が共通していることがあるのだとすれば、<やっぱりアメリカは信用に足る、頼もしく素晴らしい国だ>とは、もう今では「一人だりとも」思っていないだろう。


ちなみにここ最近で一番滑稽だと思ったのはキエフはロシア語読みだから報道も教科書などの印刷物も全部「キーフ」に変える(チェルノブイリがチェルノービリなど以下同)といった政府によるの言語統制だ。そもそも「カタカナ」は本来の外国語発音ではない「日本語」だし、ロシア発音を禁止にすることに今現在においてのプーチンが悪だという図式の上塗り以外に一体何の意味があるというのだろうか。先を考えれは良い意味なんて何一つないと思う。




またまた話が飛ぶが昨日は私が近隣界隈で一番大好きなレストラン、栄のReminiscenceに食事に行ってきた。









美味しい物は何を食べても大体は「とても良い気分で幸せ。ふわふわ~」程度にはなるけど、「やっべー・・・・凄い体験だった」とはならない。でもReminiscenceさんは何度行ってもそのヤバさは変わらない。

ちゃんと顧客のカルテを管理していて、なるべく同じ物を提供しないといった心遣いから常に新しい驚きを感じることができる素晴らしいレストランである。

その良い気分のまま、帰りにレストラン近くのニーシングで新作のジュエリーを色々試して、ラシックのコスメキッチンで大量のコスメを爆買いして、ギャルソンの担当さんに顔を見せて、良い気分のまま帰路についた。


いつもこの春の時期は鬱っぽくなりメンタルが著しく悪いのだけれど、今年はセロトニンを大量投与しているからか幾分平気である。その分頭が完全に仕事集中モードになっていている。

永続するのは戦争ではなく日常だ。

この戦争が終わったあと、世界は途轍もないツケを支払うことになるだろう。それを思うとあまりに恐ろしくて一瞬だけ本当に胃がキリキリと痛くなるが、今は何をしていても頭から仕事のことが消えることはない。

現在のことも、未来のことも。

とても楽しみである。