お店が消える理由





BAR FILMもはじめて7か月が過ぎて、そこそこ忙しかった12月を経て、1月。

初めて赤字の月が出た。からの2月、全く予約が入っていないというか、入る気配すらない事に気がつく。

点と線はお陰様で14年目の今年も好調で基本的にフルハウスになる日しかない。

だからBAR FILMの予約状況を見て、久しぶりのこのピンチな感じに恍惚としている自分がいた。

まず、スタッフに了承を経て、光熱費や人件費などの固定費を少しでも下げる為に2月の営業日を40%カットした。

だから2月は金・土・日の3日間しか稼働させない。しかも日曜日は戦略的に夜を止めて昼間営業にした。


私は経営者としてネットニュースやSNSなんかを見ていて、いつもいつも思うことがある。 

よく、レストランやカフェなんかの「老舗の○○がついに閉店」とかいう報道が出ると、必ずSNSやニュースのコメント欄で「え? すごく残念! あの名店がなくなるなんて!」なんて言う人が沢山出てくる。

お店を閉める理由はただひとつしかあり得ない。

「お店にお客さまが来なくなって、売り上げが少なくなって、経営に行き詰まった」からです。

赤字の状況なんて、半年も続けばどんなお店だって閉店する。

もちろん「立ち退きで移転」や「店主が高齢で引退」という場合もありますが、そういう場合はその理由をまず一番最初に説明します。そういった事情がなければ、お店が儲かっているのに閉める人はまずいません。お店を閉める理由は、これ以上続けても赤字だからです。

そういう人たちを見ると、「それはあなたがそのお店に行かないからです」と、つい書きたくなります。本当にそのお店が自分にとって魅力的で、そう思う方が普通に利用していたら、そのお店は閉店するはずがないからです。

今のSNSの時代は一度行ってみて、「素敵なお店」と感じてインスタで「行ってきました。すごく美味しくて良いお店でした」と写真と共に報告して、そしてもう二度と行かない。こういったお客様がとても多い。

そういうタイプのお店って、開店当初は「予約が取れないお店」で話題になるのですが、3年もすればいつの間にか誰も行かないお店になってしまい閉店することになったりします。で、「え? どうしてやめちゃうんですか? すごく素敵で良いお店だったのに」という言葉を閉店した後からかけられてしまう訳です。

BAR FILMも、開店から3ヶ月は本当に予約が全く取れないお店だった。↑の状況にウチもちょっとだけ似てるかもねって思ったら、ますます恍惚としてきて、楽しくなってきた。

しかし所詮、老舗や有名レストランが突如閉店するのも、同じ理由なのかなと思います。意外とそういったお店はお客様も1回だけしか行ったことが無い現象であったり、「いつか行きたい」で一度も行ってなかったり、昨今はSNSの影響で写真だけ観て行ったことがあるような気がしているっていう不思議現象も起きていたりします。

じゃあ「すごく良いお店で閉店して欲しくないお店」を閉めさせないようにするにはどうすれば良いのか?答えは簡単です。ちゃんと通えば良いのです。


世の中に「不買運動」ってありますよね。それと逆の発想で、「あのお店の存続のため、ちゃんと通おう運動」というのも可能です。

資本主義社会において、あなたの消費活動は「投票行為」でもあるんです。

自分は、プライベートでは「存続してほしいお店」には、とことん通います。

「存続して欲しいブランドの服」は、とことん買います。

何か物を作り提供する相手の気持ちがわかるからかもしれません。


例えば今日の夜、少し自分に贅沢をさせたいなって思った時。どこかでお酒を飲みたいなって思ったとき。大切な夜を過ごしたいとき。

コンビニで買った適当なお酒を家飲みで楽しむ。もちろんそれでも良いですけど、もう一度、BAR FILMにも足を運んでみてください。紹介されて「いつか行きたいけどまだ一度も行ったことがない」そんな方も。

本当に美味しいお酒。美しい空間。ご新規様でもリラックスできる接客。ご提供いたします。


あなたに良い思ってもらえるような店をつくれるように、通いたいと思っていただけるお店をつくれるように。私たちもこれからも頑張りたいと思っています。