Everything Everywhere All At Once (MOVIE)
アカデミー賞で話題になってる作品、観てきました。
私としては、もう全てが大好き。本当に素晴らしかった。何故だか映画レビューのサイトではとても評価が低いみたいですけど、これにはちょっと日本の鑑賞者の感性が低いとしか言いようがないかもしれません。
まず、マルチバース(多元宇宙、並行宇宙)がベースにあるストーリーです。
私たちの生きている世界とは別の世界が存在している事は研究者によっては物理的・数学的にも認められていますし、最近知人から面白い平行宇宙の体験談を聞いたこともあって、その世界観に一気に引き込まれました。
この作品のミシェル・ヨーさんは米国史上最も成功された女性カンフースターの大女優。彼女を主演としたアクションシーンで敵と戦う為に新しい能力を平行宇宙からダウンロードしてきます。毎回自分の殻を破って新しい事に挑戦しなくてはいけないっていう設定があって、その方法が意味不明で面白くて爆笑必須なのですが、現実世界でも自分の能力に蓋をせずに、人として他人に奇異と思われたとしても新しい事にチャレンジしていく大切な精神性にも通じます。
ミシェル・ヨーさんのこの映画の役柄は「パっとしない旦那を持つ寂れたコインランドリー経営者」ですが、作品の中に登場する並行宇宙に存在している其々のミシェル・ヨーさんが、実は私たちの現実世界のミシェル・ヨーさんだったりするのを観た後で知ったのですが、このリアリティのある設定にも唸りました。
特殊能力に関して敵味方入り混じるカオスティックな展開になりつつも、テーマは「母と娘の家族愛」であり、映像表現にいたっては現代美術的な表現、ウォンカーワイの「花様年華」であったりキューブリックの「2001年~」なんかの数々のオマージュシーンが映画ファンを唸らせます。
でも元ネタ、全く知らなくても映像表現とエンターテイメントとしても超一級だと思います。とても楽しい映画体験でした。近所では津南イオンで上映中、気になる方は是非ご覧ください!