一つのことを極めて行くということ


毎年この季節になるとブログにも必ず書いているけど、春、特に5月は苦手な季節だ。

鬱状態まではいかないが(あれは布団から出られなくなる。布団から出られるうちは平気だ)、自律神経が乱れまくり、様々な意欲が削がれパフォーマンスが低下する。とは言え、今年はサウナに通い続けているからか幾分コンディションの良い状態で何とか乗り越えられそうだ。

こんな時期はよく深夜に1人で映画を見たりしている。先日は久しぶりに観たくなってTHE DAWN WALL。トミー・コールドウェルというクライマーが、ヨセミテにある誰もが不可能と言われたエルキャピタンのドーン・ウォールをフリー初登にチャレンジするドキュメンタリー映画だ。

彼は、いわゆる知的障がい者で痩せっぽちな少年だった。その彼を山へ連れて行ったのはお父さんだった。ある日、家族旅行先でフリークライミングのコンテストがあり、そこに一般参加者枠で出ることになったトミー16歳。

一般参加部門で優勝した彼は翌日のエリート大会への特別招待を受ける、なんとそこで優勝したことで一躍有名となる。登山の仕事でキルギスタンに招待されたところで、何と現地のゲリラに拉致さてしまう。食べ物もない中で歩き続かされ、一人だけになったゲリラを山から突き落としてアメリカへと生還する。

彼は家の大工仕事でその後、電ノコに指を巻き込まれ一指を失う。普通だったら、そこでプロとしての登山のキャリアが終わるところだが、キルギスタンでの過酷な人生経験を積んだ彼は違った。ハンディキャップを克服するためのトレーニングを重ねていく。そしてヨセミテに移り住み、エル・キャピタンの初登を目指して山を研究していく日々を送るのだった。


一つの物事を追い求め、そして生涯をかけて極めて行くということ。手に職を持つ私としては、心に響く作品だ。もう一つ、「コロナ渦に家で見るべき映画」として2年前に当ブログでも紹介したFree Soloという映画も。

これもエル・キャピタンの話、アレックス・オノルドというクライマーが命をかけて一切の安全装置を使わずにチャレンジするクレイジーな作品だ。こちらも色々な教えをもらえる作品でもある。ディズニー+で見ることが出来るので、入会している方は是非。