最近のNETFLIXが素晴らしい話



最近NETFLIXがまた面白くなってきている。ここ最近良かったオリジナルだと、「ツール・ド・フランス: 栄冠は風の彼方に」、「サンクチュアリ-聖域-」、「QUEEN MAKER」など。オリジナルではないけど最近配信された「ミッドナイトスワン」も心底食らった。(私の映画オールタイムベスト10にはスティーブン・ダルドリーの「リトルダンサー」がランクインしているけれど、ベクトル的にも全く同じくらい食らった)

が、それよりも、何よりも。「THE DAYS」を超える作品はないのではないかと感じる。
この震災が表向きには「無かったこと」になっている日本式システムに心底ゾッっとするといった感想を持った人は私以外にも大勢いるはずだ。(これを言い出したらオリンピックの件であったりジャニーズの件であったりスリップしてしまうので割愛する)

本作は、こに震災によって起きた福島第一原発事故を徹底的にリアリティを追求し克明に描いた作品だ。実体験もあって、これ程までに重たい作品はない。

地震の震動が収まったとたん大津波が押し寄せ、全電源が失われるという最悪のシナリオが現場では起こっていた。
一般国民にはなかなか知らされなかったその日の発電所内の緊迫感、混乱、そして無力感。

そこから始まるトラブルシューティングへの各方面の努力の様子が、役所広司演じる元所長・吉田昌郎さんの視点で描かれていく。
吉田さんは事故調査委員会のために詳細な報告書、いわゆる「吉田調書」を残した後、事故から2年経ったところで癌のためにこの世を去ってしまった。

作品は、日本の国土の1/3が汚染され、東北から東京・神奈川・千葉などの関東主要都市を含み数十年に渡って人が住めなくなるといった最悪のシナリオを回避する為に、高濃度の放射能が降り注ぎ続ける戦場さながらの状況の中、原子炉の冷温停止まで持っていく所員たちの生死をかけたギリギリの過程が生々しく描いていく。

原子力発電所の安全な運営方法とは?危機管理の難しさとは?今後原発を安全なエネルギー源として活用していく為に、何が必要なのか?
この作品を見た後に考える事は多い。人々が抱えている原子力発電に対する不安や疑問。将来性や安全性、私たちの生活と未来のエネルギー問題など・・。
エンターテイメントとして楽しむ以上に、まさに私たちの社会問題を深く考え込ませてくれる素晴らしい作品だったと感じます。





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6月27日(火)~7月1日(土)娘の子守があり、サロンの営業を18時までとさせていただきます。ご迷惑をおかけいたしますが宜しくお願いいたします。