津市の桃源郷(ART)

津市の山奥にある桃源郷、天空の庭に行ってきました。

四季折々の表情が楽しめる庭園、夏は冴えわたる空の青と少しの雲の白、地上の緑のコントラストがヴィヴィッドで、一段と和泉正敏先生の作品が存在感を放つ季節。



ここは基本的に写真撮影は不可なので(その方が良い思う)、唯一庭園内で撮影できるスポットの1枚だけ。これ以外にも素晴らしい作品が50作品以上ある、ランドスケープを含めて世界に誇れる圧巻の庭園だ。


イサムノグチのパートナーとして20年以上に渡り制作活動を続けた和泉正敏先生の遺作の数々がこの庭園には展示されている。

季節ごと、年に数回だけある一般公開日に予約制で見学することができる。

予約した時間通りに現地に向かい、受付を済ませ、各種の注意事項などを聞いたあと、スタッフに引率してもらい庭園内へ。

これだけの広大な大自然の中、汚れひとつなく(もちろん雑草など1本すら生えていない驚異的なお手入れが施されている)綺麗に履き清められているその広大な空間には凛とした雰囲気が漂っている。

丁寧に作品をひとつひとつ鑑賞していく約1時間のそれは、夢のような、そして自分の脳内と宇宙とが一体化するような、目くるめく桃源郷の体験がはじまる。

ちなみに実際に脳内のニューロンと宇宙の大構造の類似性は、様々な物理学者によって数学的にも確実だと証明されいる。私たちひとりひとりが、考え方によっては宇宙と繋がることが出来るのだ。




辺りは本当に静かだった。グループで訪れた人々も、最初はきっと沈黙してしまうような雰囲気に満ちている。まるで大聖堂のような、神社仏閣のような。
ここは実際に宗教施設内なので、当たり前と言えば当たり前なのかもしれないけれど、この空気はとても好きだ。


創り上げた世界観を大自然の中そのまま維持するのは、相当に大変なことだと思う。年月が経つうちに、変わっていくことも多々あるだろう。ただ、遺された作家の作品と世界を大切だと信じる人々は、信じたことを愚直に守り続けていく。

人は、美しく聖なる場所にいくと、何かを感じ、目に見えないものを信じる気持ちになる。これが宗教である。(私は無宗教ですが、この気持ちは今まで何度もあったのでとてもわかる)

そんな雰囲気に満ちていた夏の天空の庭。また次は秋にお邪魔します。

※人にこの場所の話をすると質問としてよく聞かれるので一応書いておきますが、庭園に行ったからと言って特に勧誘されたりなど一切ございません。以前から気になっていた方は一度は行った方が良い場所だと思うので是非。