最後の喜ぜんさん(EAT)

終わりは突然やってくる。以前飲食店論を書いた時にも書きましたが、つくづく自分が好きな飲食店には「行ける時に行けるだけ行っておく」べきだと思います。

お店を閉めると聞いたのは、本日(30日)の閉店日の僅か5日前でした。

「鮨を握りながら死にたい」といつも言っている程の、職人で仕事しかない真っ直ぐな大将でした。

「誰にも知らせずに閉める」おつもりだそうでしたが、私一人にだけ教えていただいたので、花を持って最終日前日の昨晩に伺いました。


本当に誰にも言ってないんだなと感じるいつも通りの営業風景がそこにはありました。

誰にも知らせずにお客様の良い思い出のまま閉めるのは、大将の美学なのだと思います。

お店を閉めたら、お身体ご自愛していただきたいです。


毎回必ず頼んでいた、薬味のネギが絶品のヒラメのカルパッチョ。最後のこの日は旬の鱧の炙りも一緒に。これだけで白ワイン(アルザスのリースリング)が1本飲めてしまう程の素晴らしいマリアージュでした。


天ぷらも上手で絶品でした。海老天のブリブリ感!




ステーキも本当に美味しいお鮨屋さんでした。最後の日はイチボのステーキを超レアでいただきました。


当然、肉寿司も絶品でした。薄くスライスして幾重にも重ねるることによって食感にも楽しさを出す手の込んだ1品でした。



 京野菜の握りなど、野菜の握りも出されているユニークなお鮨屋さんでした。

野菜を物凄く薄くスライスしたりなど、職人の仕事が光る1品でした。




お寿司の合間に、何も言わなくても「沢庵と生ハムのサラダ」なんて言う気の利いたワインのツマミの1品がサッと出てくる粋な鮨屋でした。

新しいもの好きの大将らしく、この意外な組み合わせも本当に美味しくて勉強になりました。



かと思えば、「カニマヨ」(コンビニインスパイア)なんてものが突如出てきたりなど、本当に楽しいお鮨屋さんでした。当然、コンビニとは比べ物にならない美味しさです。























出汁も絶品のお鮨屋さんでした。







喜ぜんさんのシグネチャーは「鰻」と「穴子」で、これは絶対に食べておくべきお鮨でした。
これが食べられなくなると思うと辛い



山椒の赤だしで〆。本当に、最後までお酒好きのことを心得ているイカした鮨屋でした。






大将、本当にお疲れ様でした!皆様で楽しい楽しい最終日でした。

それにしても、本当にこれから私たちの鮨欲はどうやって地元で満たせば良いのでしょうか・・・。 


色々なお客様などに紹介される津市の他の鮨屋さんは、どこも月曜日が定休なので行けないんですよね・・・。 基本的に、私は月曜日の昼に飲みに行くので。

いっそ、美味しい魚屋さんは近くにあるので、こちらで食べて学んだお鮨を思い出しながら久しぶりに自分たちで握り始めようか、なんてちょっと考えてしまっています。(以前家でやっていた時もあったので)