瞳をとじて(MOVIE)


久しぶりに、自宅でゆっくり良い作品を見ました。
ビクトル・エリセ。まぎれもない「巨匠」です。
私にとってはやはり「ミツバチのささやき」(1973年)のイメージの強い監督ですが、エリセは1969年の長編監督デビューから2023年までにたったの4作品しか監督しておらず、とても寡作な監督としても知られています。
 

何だろう、私にとってはカウリスマキだとかヴェンダースだとか小津だとか、その辺の作家の作品に似ています。

大きな起伏もないままの3時間近い長編にもかかわらず、引き込まれる自然体で美しいショットが続き身を委ねればあっという間に過ぎ去っていく豊かな時間。

私にはこれはエリセ自身の半生を描いているのだと充分に理解ができました。

まるでニューシネマパラダイスのようなエンディングも印象的。


人生は長いようで短い。

久しぶりに重厚な作品を見た気がします。やはり、映画はこうでなくてはと思いました。