手仕事

最近U-NEXTに入ったので毎日映画を見ています。中でも10年以上ぶりに見て、胸に響いた作品。
勿論当時もそのタイトルで心を掴まれてレンタル屋さんで借りて見ていて、記憶にはうっすら残ってはいるけれど、2024年の今あらためて見ると凄い。



まず、作品のタイトルセンスが最高だ。フィリップ・K・ディックの名作SFからのオマージュ。なのに、鮨職人の映画。


「セカンドキャリア」「副業」が当たり前の今の時代に、仕事一本のクラフトマンとして生涯を生きている人間の素晴らしいドキュメンタリー作品。
寿司を握って70年(公開当時。今も現役なので80年!)の小野二郎さん。
今年98歳になる、単独で世界最高年長のミシュラン3つ星料理人だ。



今回あらためて観て、何が良かったって、手の復権をこれでもかと理解できる象徴的な映像体験。

「手で何かを作る」行為とは、いかに尊くて美しいことか。
それを身体の中に入れるのだから、やはり鮨は究極の手仕事だと思う。


今、仕事ではキーボードを叩き、家に帰ってもスマホばかりで「手で何かを作る」行為を殆どしていない人も多いのではないだろうか。
そんな方がこの作品を見てみたら、何かが必ず変わると思うから私はお勧めしたい。

陶芸、音楽、料理、農業や田植え、手仕事の作品作り、何でも良いので手を使った仕事を趣味でも良いのではじめてみるのは本当に全員にお勧めしたいと思う。


もう安かろうの大量生産・大量消費の時代は終わりを迎えています。
愛着をもって長く使えるものを日々の中に取り入れるのは幸せだ。
「手仕事」によるものづくりは、作る人も使う人も幸せにしてくれるのだと、あらためて。


私がセレクトするFILM STOREも、最近は作り手の顔が見えて、実際にお話して人間性も含めて惚れ込んだアイテムだけで揃えてきている。となると必然、日本製品が多くなる。
先日のニットしかり、スニーカーしかり。他にも沢山のハンドクラフト、それも一流の「手仕事」による製品。


私たちが生きている世界を感じるには、手仕事しかないと本気で思います。


皆さまも「手仕事」、始めませんか?