気候問題、年末の挨拶を添えて
先日三重大学で気候変動研究の第一人者である立花義裕教授の講演会が開催されたので行ってきました。
私が今とても興味のあるトピックスは「健康」ともう一つが「気候変動」。
と言うのも、自分で庭の管理し始めて5年になりますが、3年前から気候が原因で異常な状態が続いているからです。
3年前の日本は冷夏気味で、夏の植物のバナナは育たずカンナも12月中旬になっても咲ききらない状況。打って変わって去年と今年は記録的な猛暑で熱帯地方の植物がありえない程大きく成長しました。庭のバナナの大きさは5mを越え、記憶に残っているお客様も多いかと思います。
今年に至っては四季が二季となった影響で12月下旬の現在が紅葉が見頃に。
さらに日本をはじめ、今年は世界各地で多くの自然災害に見舞われ、まさに「異常気象がニューノーマル」な時代に私たちは生きています。
立花先生の解説は流石のトーク力でわかりやすく、気候変動に関する解像度が爆上がりしました!
異常気象の原因は簡単に書くと、北極の激しい温暖化で偏西風(暖気と寒気の間に吹く風)が迂回することにより寒気がアジア〜アメリカに逃げる北極寒気の大移動が原因だそうです。
逆にアラスカは雪が降らずにめちゃくちゃ暑くなっています。
この赤道の暖気と北極の寒気の差が大きくなれば偏西風は強く真っ直ぐに吹き、小さくなれば弱く吹いて蛇行します。
この差がどんどんなくなってきているので、蛇行具合がさらに激しくなり激しい異常気象が続き、四季から二季になった原因もこれだそうです。
この蛇行する偏西風にひっぱられて赤道から生まれる暑い黒潮も蛇行することにより、三陸沖などの日本の海面を熱くしています。これが今年の日本の温暖化の原因だそうで、さらに驚くべきことに海面水温の上昇(平年プラス6度)が世界でもダントツに高い地域が日本近郊なのだそうです。
そして寒気が来ると温度差によって水蒸気が爆発的に上がり、豪雨であったり大雪であったりが起こるそうで、能登豪雨であったり先日の韓国の記録的な大雪などはこの水面の温度差が原因であり、今年の冬の日本の気象は記録的な大雪をはじめ大荒れになるそうです。
先生の言葉で印象的だったのは、テレビ、SNS、大手新聞メディアも、異常気象や災害が起こった時だけ(あるいは起こりそうな時だけアラートとして)、「たまたま今年は」といった一過性の切り取り方で気候変動の問題と災害を結びつける報道をするが、 5年、10年先を見据えた気候危機の啓発記事は皆無であるということ。
一体なぜなのか?国民の殆どが気候変動に関する関心も危機意識が残念ながらないからだそうです。
人類が排出するCO2が温暖化の原因になっている以上、能登半島の豪雨も我々が加害者の一人だという認識を、国民全員が持って暮らして欲しいといった訴えでした。
私たちにできることとは何か?
今自分なりに考えてみたのですが、ありきたりなことではありますが例えば省エネを心がけ電気の使い方を見直し、無駄を減らす。その為には夜更かしをせず、早く寝て、明るくなったら起き、太陽が出ている時間に行動する。スローフードを意識して食生活を見直し、旬の食材と地元産の食品を積極的に食べる。
たったこれだけのことでも、積み重ねれば大きな効果が生まれ、さらには自身の健康にも役立つと考えられます。
特に私が心配しているのは、私ではなくて娘の世代の時代。
そんな未来の世代の為にも、今日できる小さな一歩を大切にしていきたいと感じました。