2024 BEST 10 映画・ドラマ編 & 本編

 



音楽編に続いて映像編です。

劇場公開作品を中心に、去年思い出に残っている作品などを。(ドラマやアニメも含む)

今回も順不動です。




パーフェクトデイズ

去年の最初の方にこの作品を見て、「あ、早くも今年のナンバー1に出会ってしまった」と思い、それについてもブログに書いたと思うのですが、結局最後までこれを超える作品には出会えませんでした。観ていて何でもないショットのシーンで何度も涙が溢れてしまった。映画館の大画面で見るヴェンダースの美しい世界は至高の体験です。








「哀れなるものたち」と「憐れみの3章」

去年はランティモス監督の最新作を何と2作品も劇場で観る機会に恵まれるといった、何とも幸せな年であった。

特に「哀れなるものたち」に関しては計3回は劇場に見に行ったんじゃなかったかな。まあ後世に残るであろう物凄い作品だった。

「憐れみの3章」はランティモスらしさに回帰した怪作であり傑作。映画は総合芸術なので、私は作品を見るときに全体のアートディレクションを相当意識して観るけれど、その点では24年でナンバーワンだった。

OPもEDのフォントとカラーのデザインは本当に素晴らしい!



ルックバック


もうね、ルックバックに関しても桁違いに良すぎた。手書きアニメーションの力強さ、エモーショナルな脚本(原作漫画も大ファンです!!)、田舎町の自然の美しさを見事に表現した音響効果、胸が締め付けられるエンディング。映画にもかかわらず1時間以内と言う時間に納めた全く新しい試み。全てがパーフェクトで文句が全くない大傑作。思えば本当に豊作だったな、24年の映画。




白と黒のスプーン ~料理階級戦争 -


去年見たリアリティーショーでは群を抜いて面白かったコチラ。韓国では社会現象になってたみたいですよね。「哀れみの3章」でアートディレクションのことを少し書いたけど、この番組のアートディレクションも相当にカッコいい。セットのディレクションだけでもだけでも是非観て欲しい。

内容は20人のミシュランシェフと、給食のおばさんを含む無名の料理人たち80人による勝ち抜き戦料理対決番組。気軽に観れる番組で本当に面白かったので是非!




オッペンハイマー


私はノーランを崇拝しているので今作品も本当に楽しみにしていて、ようやく日本でも公開となり観に行ってきました。多くの人が警戒して本作品を観ない理由も確かにわかるのですが、一つの立派な反戦映画に見事に仕上がっていると思いました。

私がノーランを大好きな理由は沢山あるのですが、特に好きなのはSFをテーマにした作品を多く撮っているにもかかわらず、CGを一切使わずにアナログ撮影に拘っているところです。

そしてこのアナログ撮影の凄みを感じるには劇場で観るのが必須なのも付け加えておきます。

今回も量子力学的な手法として、モノクロームとカラーを使い分ける手法は素晴らしいと思ったし、トリニティ実験の核爆弾の爆破シーンの映像表現は音響効果も含めて息を呑む緊張感と素晴らしさでした。





コールミーダンサー

思えば年末の激務のタイミングで劇場でこれを観れたのは大きかったし、良いブーストになった。

例えば「職人」は「アーティスト」になれないから憧れるように。

逆に「アーティスト」が「職人」になれないから憧れるように。

自分の内側から湧き上がる「自分は何者であって表現したいことがある」真っ直ぐでピュアな思い。少年のような。私にとって、憧れの沢山詰まった美しいドキュメンタリー映画でした。







不適切にもほどがある!

日本のドラマ部門で言うと、ネトフリの「地面師たち」や「忍びの家」も素晴らしかったですが、それよりも地上波のこっち!

去年はこの作品が令和のコンプラまみれの日本で民放で流れていた事実だけでも凄かった。TBSは良く腹をくくったなと思いました。実際物凄い炎上もあったみたいですけど、それでも打ち切りにしないで最後まで走り切ったTBSは賞賛に値すると思います。レビューは当時のブログ記事参照してもらうとして、こんな面白い作品をクドカンには今後も期待しています!







三体

ドラマ部門で去年観た中で圧倒的だったのは「三体」。
1960年代の中国、ある若い女性が下した重大な決断が時空を越えて現代に影響を及ぼすことに。自然の法則では説明のつかない不可解な現象を目の当たりにした有能な科学者たちが、この事態に果敢に立ち向かう捜査官と手を組み、人類史上最大の脅威に挑む……といった内容。
SFが苦手な方にも是非観ていただきたい傑作ドラマですね。シーズン2が楽しみ過ぎて待ちわびています。




MFゴースト シーズン2


我が家はMFゴーストがあまりにも好きすぎて、今期のアニメで唯一リアタイで毎週観ていました。カーデザインが好きな人は問答無用に絶対に見た方が良いですね。本物の車を見ているよりもカッコいいし興奮します!レースシーンのCGの描き方には相当に力が入っています。

シーズン2の私的ベストシーンは、4話の雨のコンディションでのフェラーリvsアルピノ。痺れました。令和時代に聴く、いなたいユーロビートも最高です!



次回は「本部門」を紹介しようと思ったのですが、振り返ってみると思ったほどの冊数を去年読書できていなかたこともあり、詳細を見送って次回は物部門を紹介します。

ただ本はサラッと書くと、「三体」と「プロジェクト・ヘイル・メアリー」のSF系がずば抜けて面白かった年でしたし、「成瀬は天下を取りに行く」や「上流階級富久丸百貨店」、「北の狩人」など今まで読まなかったタイプの小説にハマったりした面白い年ではありました。

一方でビジネス書関係はあまり読まなくなった1年で、勉強の為の読書に比重があった気がします。例えばアート作品の見方を再考する書籍であったり、医療関係の本でしたり、マイケルポーランのキノコ系の本など。特に「キノコ」は、今後の重要なキーワードになるのは間違い無いですね。

点と線でお出ししている「マッシュルームコーヒー」もお勧めです!