落下の王国
以前も同じことブログに書いてるけど、学生時代の私は、ターセム・シン×石岡瑛子さんが作り出す映画の域を越えた映像体験に心酔。
本当に心酔しまくっていたので、一番好きな「ザ・セル」は10代の頃にDVDで100回は見ているのでセリフも全部覚えてしまった程だ。
昨日、20年近くぶりにスクリーンで見た落下の王国は、それはそれは力強くて美しく、時が経っても古くならないタイムレスな映像表現とは何ぞや?とは、デジタルを使わずアナログな手法であること。の、極北を地でいく作品だとあらためて。
そしてやはり映画館の画角で見ないと感じることができない余白の捉え方であったり、カタルシスであったり、今回も心酔させていただきました。
この「早すぎた映画作品」に、当時はスポンサーが1人もつかず、それでも監督のターセムはこの作品を作る為にMVの制作などで稼いだ財産、さらには私財全て売り払い予算を捻出。
CGなどのデジタル処理を一切使わずに、全世界20箇所以上の世界遺産で実際に撮影を行い4年の歳月をかけて完成。
完成後も映画祭で上映するも買い手(配給先)がひとつも付かず、苦肉の策で大借金を行い自主配給で上映を行うものの、大きなヒットには繋がらず。
といった苦しい歴史がある本作品。
しかし今回のリバイバル上映では、特に若者に熱狂的に受け入れられ、ここ日本でも公開当時の2倍以上(!)の興行収益を叩き出しているらしく、ようやく時代がターセムに追いついたのだと感じます。
来年も、4Kリマスター、色々と観たいのがあるので楽しみです。
特にリンチの異色作、ストレイト・ストーリーの公開は楽しみですね。
