新しい浮世絵を購入しました




 

昨年購入した豊原国周に引き続き、先日新たな浮世絵を購入しました。 


今回購入した作家は明治時代に美人画で名を残した絵師、揚州周延の束髪をテーマとした作品です。


美容師をしている私としては、いつか束髪の浮世絵を手に入れたいと漠然と美術館で作品を見かける度に思っていたので、今回の出会いはとても嬉しかったです。


以下、髪の文化的な話になります。

束髪とは明治時代に洋髪の影響を受けて生まれた簡便な結髪の呼び名で、手間のかかる従来の日本髪に対して考案され文明開花の新時代を象徴するヘアデザイン。

文明開化の影響で西洋婦人の髪形にヒントを得て、明治ごろ「鹿鳴館時代」と呼ばれた時期に上流階級の女性の間に登場した髷の一群です。

発端は従来の日本髪を続けることによる頭皮の衛生上の問題と(油を多様するため)、欧米カルチャーに影響を受けた文化的な新しさを当時の日本の医師会が提唱して生まれました。

手軽に自分で結え、和服にも合うとして瞬く間に流行し、髪型のサンプルとしてこういった今回私が手に入れた美人画の浮世絵が明治時代前半に描かれていたといった背景があります。


シャンプーブースに展示してあります 是非ご来店時にご高覧ください。

可愛い衣装も含めて全てが好き!です。大満足。


【作家】揚州周延 Yousyu chikanobu 

【作品】鬘附束髪図会 

【時代】明治20年(1887) 

【技法】木版 


また、今作品の素晴らしい額装は、秋友家具製作室さんにオリジナルでオーダーしたスポルテッド(木の年輪に菌が付着した木目の柄)の額です。

普段はとても多忙で、額のオーダーを受け付けていない作家さんですので貴重であると同時に、こちらの額装の存在自体が一つの芸術作品のような仕上がりになっています。



何というか、私の妻が日本の伝統工芸に使命を感じて習得しているのとも共通しますが、浮世絵は未来に残していくべき日本の芸術文化だと思っていますし、私たちのようなセンスの良いお店に展示することによって浮世絵の新たな魅力を表現できると思っています。

多くの人の目に触れて浮世絵を知っていただく機会が増えることにより、日本文化の魅力発信に微力ながら貢献できたら、日本人として嬉しく思います。


また、美術品の中でも浮世絵は世界的に毎年価格が高騰し続けており、今後下がることもまずないと思われますので、資産形成としても優れていると感じます。(しかも株と違い、こちらは毎日愛でられます!)


浮世絵、今後も収集は続きそうです。